六星占術は非常に独自の占い手法
六星占術とは、中国に4000年以上前から伝わる易学、万象学、算命学をもとに、宗教家であり、また占い師でもある細木数子氏が編み出した占い手法です。
六星占術では、その人の生まれ持った運命を土星、金星、火星、天王星、木星、水星の6つの運命星に分けて占います。
それぞれの運命星を持った人を土星人、金星人、火星人、天王星人、木星人、水星人と呼ばれます。
そして、それぞれの星人別に割り当てられた12の運気が1年ごとに巡ってくるとしています。
12の運気とは、「種子、緑生、立花、健弱、達成、乱気、再会、財成、安定、陰影、停止、減退」です。
6つの運命星に分けられていますが、ある特別な条件がそろった場合には、霊合星人となります。
霊合星人はそれ自体が単体で独立している運命星ではなく、例えば「土星人の霊合星人」というように、ほかの6つの運命星と複合するものです。
それぞれの人の運命星は、生年月日によって算出された運命数、星数により決定されます。
運命星によりその人独自の占命盤が描かれ、これをもとに占いの鑑定が行なわれます。
統計学に基づいた占い
六星占術の創始者の細木数子氏によれば、この占いは統計学や科学にに基づいたものだとされています。
しかし、どのような統計学に基づいているのかが示されたことがありませんし、占いという、目に見えない世界のことですから、まだまだ科学的に証明できるものではありません。
六星占術は、易学、万象学、算命学といった歴史のある占いをもとにしているとはいえ、いかんせん歴史が浅いですから、統計学に基づいていると言っても、データが少ないという弱さがあります。
大殺界は呪いの言葉
六星占術の一番大きな特徴は「大殺界」という概念です。
よくテレビでも取り上げられていましたから、占いをよく知らない人でも、この「大殺界」は聞いたことがあるでしょう。
「大殺界」と呼ばれる時期に運気が下降し、不幸に見舞われやすいので、この時期に新しく何かを始めるのはタブーであるとされています。
そして、もしこのタブーを破ったならば大変な不幸に見舞われる可能性が高いので注意が必要だ、というのが六星占術の特徴です。
しかし、本当にそうでしょうか。
大殺界だから、新しいことにチャレンジするのはやめておこうとなったら、いつならいいのかということになってしまいます。
「大殺界」に振り回され過ぎてはいけません。
なぜそう言うのかと言えば、六星占術という占いでは大殺界を含めて「凶運気」の期間がやたらと長いからです。
大殺界だから、凶運気だからと、何もしないでおとなしくしていなければならないとしたら、人生で何もできなくなってしまいます。
凶運気の期間がやたらと長い占い
六星占術では12の運気がありますが、その中で「健弱」は小殺界、「乱気」は中殺界、「陰影」「停止」「減退」は大殺界と呼ばれていて、良くないことが起こるとされています。
そして、これらの時期には、特に大殺界の時期は注意が必要で、もしこの時期に何か新しいことを始めようものなら、大変な不幸を招き、その影響は子孫の代にまで及ぶとされています。
聞いただけで恐ろしくなる話ですが、六星占術が恐れられているのは、これらの「殺界」の影響が大きいです。
過去の過去の自分の運勢を見てみたら、不幸なことが起きた時が「すべて殺界の時期だった」として、この占いは当たると考えてしまう人が多いです。
しかし、よくよく調べてみると、これら殺界と呼ばれる時期に不幸があることは、それほど驚くことではないことがわかります。
なぜかと言えば六星占術で言う「殺界」と呼ばれる期間はやたらと長いからです。
たとえば「大殺界」については、12年のうち3年間という長い期間が当てはまります。
12年のうち3年間ということは、実に4分の1です。人生のうちの4分の1が「大殺界」なわけです。
誰でも自分の人生を振り返ってみれば、不幸なことぐらいあったでしょう。
大学入試に失敗したとか、彼氏に振られた、就職での失敗、離婚などなど、どんなに順風満帆に見えるような人であっても何もかもがうまく行く人なんかどこにもいません。
たまたまあった不幸なことが、その大殺界の時期に当てはまる確率は単純に言っても、4分の1ですから、誰でも結構当てはまるでしょう。
さらに六星占術では、年運だけでなく、月運、日運というものがあり、大殺界以外の「中殺界」「小殺界」という「殺界」があります。
大殺界だけでも12年のうちに3年間もあるのに、それ以外の殺界も含めたらどれほどになるでしょう。
どのくらいの期間が「殺界」に該当するのかを計算してみましょう。
年と月だけで殺界の割合を計算してみますと、大殺界の場合だけでも実に人生の44%が殺界の時期になってしまいます。12年のうち5年3ヵ月ですから、4割以上です。
これに中殺界を加えると殺界の期間が56%、12年のうち6年8ヵ月が殺界になります。
さらに小殺界まで加えるとに66%、12年のうち7年11ヵ月です。
またそれに加えて「日運」や「相性運」まで考慮に入れれば、70パーセントを超えることになります。
六星占術では人生の7割以上が凶運期ですから、やたらと長いです。
ほどほどに活用する
占いというのは、情報として活用する分には人生の指針にもなり、人生を豊かにしてくれますが、六星占術の場合、以上に見たように、大殺界、中殺界、小殺界と「殺界」の期間が長過ぎす。
これらの情報をそのまま鵜呑みにして、殺界の時期はおとなしく縮こまっていたら、人生がずい分と小さくなってしまいます。
決して振り回されるのではなく、あくまでもほどほとに参考にする程度にするべきです。